神田日勝記念美術館館長就任挨拶

 ご挨拶が大変遅れました。
 平成28年4月1日付けで、神田日勝記念美術館館長を拝命しました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 前任の(故)菅館長の在任中は、当館に対し多くの皆様方のご支援を戴き有り難うございました。彼は亡くなる直前まで当館の運営について心を砕かれ、各方面の美術館はもとより、多くの画家各位にも北海道鹿追町に神田日勝記念美術館ありとの認識が広がるよう腐心してまいりました。
 平成28年度のほぼ全ての当館事業については彼の持ち前の行動力とこれまで培ってきた人脈を駆使した企画立案で、成り立っています。当館の開館前から神田日勝を誰よりも知る努力をし、誰よりも大切にした彼の思いのこもった今年の事業の数々であり、その思いをご理解いただいた画家・団体の皆さん方の展覧会です。
どうぞ皆様のご来場を頂きます様、心からお待ち申し上げております。
 さて、戦後生まれの私と神田日勝との関係があるとすれば、神田日勝が育ち農民として、画家としての生活をしていた笹川地区に幼い頃の私も住んでいたことくらいであります。しかし、同郷という思いはなにかしら強く引き合うものであり、私自らが終の棲家と決めたふるさと鹿追を大切にすることと同様に、「郷土の誇りである神田日勝と同郷」に生きたとの思いは美術館への強い思いに通じており、皆様と共に最も大切にしたい心であります。
 当館は開館以来23年目を迎えていますが、当初から当館の運営に大きな力となっていただいたことの一つに、友の会の皆さん、地域住民の皆さん画家仲間の皆さん、北海道内外の日勝ファンの皆さんの、神田日勝とその作品に寄せる熱い思いがありましたことを忘れることは出来ません。
 神田日勝記念美術館では、これまで同様、神田日勝の画業の検証を進めながら、より充実した展覧会事業の実施と美術各種団体皆様との交流を深め、広く美術を通した地域文化の向上が図られるよう努力してまいりますので、今後も変わらぬご支援を宜しくお願い申し上げます。
 
 神田日勝記念美術館館長  小 林  潤