脅威に負けずに

 大地震・津波・ゲリラ豪雨など、瞬時に日常の生活を一変させる地球規模の災害が世界各地で起きています。しかも気象庁が発表する気象警報の中に「経験したことのない大雨」という用語を使わなければならないほどの強大な災害の恐怖が私たちの生活と隣り合わせとなっています。「災害は忘れたころにやってくる」は昔の言葉で、現代社会では「災害は矢継ぎ早やにやってくる」といった感じでしょうか。ここにきて新型コロナウイルスもまた地球規模の危機的事案となっています。
 北海道は全国に先駆けて鈴木知事の英断で緊急事態宣言をし、新型コロナウイルスの脅威に立ち向かっています。
当館では、この宣言の下に3月3日から16日まで臨時休館させていただきました。3月17日からは現下の状況を踏まえ、クラスター発生の3条件を集めぬよう配慮するとともに、また来館される皆様にもご理解をいただきながら開館し、お楽しみいただいています。
 様々な大型イベントや学校の休校などで窮屈且つ退屈な日常をお過ごしの皆様と思います。感染拡大防止と市民生活の両立を目指す北海道の考え方に沿いながら、美術館というほんの小さな安らぎの空間ではありますが、安全・安心の空間づくりに腐心し皆様のお越しをお待ちしています。
 なお、4月6日から4月28日までは館内修繕と展示替えのため臨時休館させていただき、4月29日からは装いも新たにドラマ「なつぞら」にちなみ「夏空を翔けた馬たち」特別展でお楽しみいただきます。どうぞご期待ください。

 神田日勝記念美術館館長  小 林  潤