館長コラム2015.10.1

しばらく筆が動きませんでした。申し訳ありません。
最近一番嬉しかったことは、小学館の『日本美術全集』第19巻の「拡張する戦後美術」に神田日勝の「室内風景」が掲載されたことです。内容はかつて目黒美術館で正木基学芸員が企画した「戦後文化の軌跡」の延長線にあるものと思われますが、神田日勝作品について従来は北海道立近代美術館の項目に代表作として掲載されたことはありますが、美術全集にカラーで紹介されるということで日本美術史の中に位置づけられつつあるということが実感されました。
また、「フレンドリィ十勝」では当館が充分に現代アートとの競演に遜色ないことが実感され、「二人の齋藤展」ではタイトルこそなんだという思いがありましたが、内容は独立展の重鎮齋藤研氏と気鋭の齋藤将氏の力作を並べた内容の濃い展覧会になりました。極めて切り詰めた経費の中で作家のご協力に頭の下がる思いです。これも神田日勝の賜物と肝に銘じているところです。
さて、4月から川岸真由子学芸員が採用され、今後の企画展や明年予定されている広島県の尾道市立美術館での「神田日勝展」開催中の企画である「尾道美術館展」にその手腕が発揮されることと思います。事務方も係長の交替がありました。僕も「日勝画廊」の亭主として画家の方々のご協力を仰ぎながら展覧会企画と知名度のアップに努めたいと思っています。