コロナ禍での教育環境整備

 情報化時代の昨今、幼児から小中高校生はたまた大学生から大人まで日常に欠かせないのがスマホ・パソコン・テレビゲームなど、情報収集やバーチャルな時間を過ごすための情報機器でしょう。普段通りの日常であればこれらの機器があればいくらでも時間は過ごせるのですが、ウイルス対策で自粛が求められるとそうはいきません。動くなと言われれば動きたくなるのが人情。しかも先が示されない長期間。その結果、人流増加による感染拡大の悪循環。
 8月27日から9月12日を期限に、コロナウイルス感染拡大防止に向けて3度目の緊急事態宣言が北海道にも発出されました。

 残念ながら当館もこの宣言中は休館を余儀なくされます。
 当館への訪問を予定されていた方には大変恐れ入りますがご理解下さいますようお願い申し上げます。

 3度目の緊急事態宣言となりましたがワクチンの確保に甚大な遅れを取り、急速な感染拡大対応にも後手後手感が否めない政府の対応、一年半以上もの期間を不足するワクチンの接種と国民の自粛だけで乗り切らざるを得ない状況が続いてきた結果とも見えます。さらにここに来て心配されていたワクチン接種が見送られてきた12歳未満の子どもたちへの感染拡大が顕著に見られ、すぐそこに爆発的な家庭内感染の状況が迫っているような気配すら感じます。
 鹿追町としても緊迫した現況にある個々の子どもたち・家庭・地域を守る術が検討されています。児童・生徒が集合する中高生はウェブ授業で登校しなくとも乗り越えられるか、では小学生はどうか。臨時休校になれば留守家庭の問題、学童保育に通う子も集合しての時間に感染のリスクも高まります。
 アメリカのロードアイランド州では、学校閉鎖の事態を受けて即座に教員への1週間の集中研修を行いオンライン授業に切り替え、一定の成果を上げている地域もあるようです。翻って他地域に先駆けて児童・生徒にタブレット端末を配置した鹿追町であれば、各種のオンライン授業の実践を模索することが可能と思われます。
 それが可能となれば、当館との連携で図画工作や美術の授業もこれまでのように出前授業ではなくオンラインで実施できることともなり、さらに当館をプラットフォームに他館とのオンライン授業も可能に…。こんな時だからこそと、無い知恵をあれこれと絞って子供たちの育ちの教育環境整備と各方面との連携を模索しています。

 神田日勝記念美術館館長  小 林  潤