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神田日勝記念美術館 学芸員コラム

謹賀新年

2019/01/08

 平成31年の幕が誠に穏やかに明けました。
 毎年のことながら新年を迎えられた喜びは他に例えようも無いものがあり、不思議と心の中に希望の光が射すものですね。皆様にとってこの一年が希望溢れる時間となりますようお祈りいたします。
 さて、ことしは30年間続いた「平成」の元号が皇位の継承が成されることにより改められます。皇位継承に関わり政教分離の問題なども取りざたされますがそれはさておき、明治・大正・昭和・平成と続いてきた各元号からはその時代を映す社会や人々の生活が思い起こされます。昭和生まれ・平成生まれの人というだけで何となくイメージが様々湧いてくるのは元号が生活になじんでいるからなのでしょう。となれば、次の元号に思いを馳せるのも日本国民ならではの心象でしょう。
 当館は、日中戦争・太平洋戦争の頃を東京で暮らし、終戦直後から25年間の北海道十勝の開拓時代に生きた神田日勝の作品を展示していますが、昭和の中間期間ともいえるこの頃の日本は、戦後復興から高度経済成長へと激変する時代を迎えていきます。多くの人々がそうであったように、日勝も地を這うような極貧生活を乗り越え、生きて描くことに強い信念を持ちながら日常を築きあげてきました。作品は作家の生き様を写す鏡であり、作品からは激動の昭和の時代を生きた画家の叫びが聞こえてくるのです。
 今年の4月から放映予定されているNHK朝ドラ100作目の「なつぞら」はまさに昭和のエネルギッシュな十勝の風情が色濃く映し出されるものと期待すること大ですが、平成に開館し昭和生まれの神田日勝作品を展示してきた当館にとりましても、彼の朝ドラに神田日勝の人物造形がモデルの配役山田天陽(吉沢亮さん)が登場すると聞き、没後50年を迎える節目の年が新たな歩みの年となるものと歓迎しています。
 また、来年が鹿追町開町100周年の節目となり、この機に「(仮称)没後50年記念神田日勝巡回展」を2020年春季に東京駅の東京ステーションギャラリーで、夏季に神田日勝記念美術館で、秋季に北海道立近代美術館で開催すべく準備が進められています。改めまして皆様のご理解とご指導を宜しくお願い申し上げます。


神田日勝記念美術館館長  小 林  潤

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