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神田日勝記念美術館 学芸員コラム

なつぞらに生きた神田日勝2

2019/03/27

 昭和20年8月、神田日勝家族は北海道十勝の鹿追町に移り住みました。
 若干15歳にして開拓農家の後継ぎとなり、突きつけられる極貧・艱難辛苦の日々の暮らしに向き合いながら生きた日勝。うつむかず休まず歩き続け乗り越えてきた日勝の体験は、その後の人生観や作画活動に色濃く反映されていきます。重労働の寸暇を惜しんでキャンバスに向かい、硬い信念に裏打ちされたような作品の一つひとつが、所属した十勝の平原社展、全道美術協会・独立美術協会等の中で、異彩を放っていきます。しかし病魔に襲われた日勝は32歳という若さで生涯を閉じます。その生き様と作品群は、時を経て間もなく没後50年を迎える今になっても多くのファンを惹き付けて止みません。
 北海道十勝、日勝の生き様を知る紺碧のなつぞらは、常に空に向かってエスキースを繰り返した彼の姿を思いおこさせてくれるのです。

 さて、いよいよ4月1日から《NHK連続テレビ小説100作目「なつぞら」》がスタートします。過日(3月2日)に日本アカデミー賞新人俳優賞に輝いた吉沢亮さんは、「なつぞら」の中でヒロインの広瀬すずさん扮する「なつ」のお相手役。ベニヤ板に素敵な馬の絵を描く青年「山田天陽」として「なつ」に絵心を教えるとのこと。山田天陽の人物造形は、早世した鹿追町ゆかりの画家・神田日勝をモチーフにしたのだそうです。なつの人生を左右する重要な役柄で多くの日勝ファンからも注目を集めています。ネットを検索するとこのことに関する膨大な情報が流れていて驚きました。
 当の吉沢亮さんは昨年二度にわたって当館を訪問されました。
 そのような関わりで当館に少なからぬ縁を持つ吉沢亮さんの栄えある新人俳優賞受賞を心からお祝いすると共に、「なつぞら」に出演する皆様の益々のご活躍を祈念しています。
 農民として画家として、何よりも人として生きた神田日勝。今、新たに注目を浴びるその生涯と作品を紐解き感じながら、”朝ドラ”の「なつぞら」鑑賞を楽しみ方の一つとしていただければと、皆様にお奨めしています。
 「なつぞら」のロケは日勝が生きた鹿追町周辺の十勝のあちらこちらで行われています。いやおう無しに十勝のみならず北海道民こぞっての応援の機運が高まっています。



神田日勝記念美術館館長  小 林  潤

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